- 石田氏の本の中では、かなり堅めの文章で構成されており、それが一種の
「敷居の高さ」を感じさせてしまってはいるが、中身のクオリティは
おそらく氏の著作の中でもピカイチだと思う。
他の石田氏のどの本を持っていたとしても、この本を併せて読むと、
理解が深まるのではないか。
まるで「高額セミナー」を受けたかのような感触。
石田氏の本で、どれか1冊と言われたら、迷わずコレを薦めたい。
ただし、良薬口に苦し。
理解できるまで何度でも読むべし。 - 内容も具体的で分かりやすく実際に職場でも使えることが満載でした。特に管理職クラス(うちの上司も含め)の方に読んでほしいと思います。
- 何が組織の目標に沿った行動なのかを分析し、その行動をとった人には「すぐに」「確実に」ご褒美を上げる。このシステムをどう作るのかが書かれています。
「パブロフの犬」の理屈に近く、また大人を子ども扱いしているようで途中抵抗もありました。しかし、人間も動物。心のベクトルはうまく褒めてくれる方へ向きますよね。
参考になった話として、なぜ、タバコが止められないのか。また、部下の不満を聞きすぎる態度が、逆に不満を言わせてしまう環境をつくっているといったものがありました。 - 仕事の評価を、結果ではなく行動に焦点を当てて行おうという提案は高く評価できる。
結果が出るか否かは環境と偶然に大きく影響される。つまり、努力が実るとは限らない。行動を実行するだけであれば、努力がそのまま形になる。
やる気が持続しやすいのはどちらかは明らかだ。やる気がでれば仕事も楽しいだろう。
ただ、この本の手法では、結果を出すための行動の主な決定権は実務層からマネジメント層に移るわけで、
いくらマイクロマネジメントとは違うとは言っても、自分で工夫をして結果を出さねばならない仕事や、自分で工夫をするのが楽しい人には向かなそうだ。
また、この本の理論的根拠である行動分析学には違和感が残った。
これは、客観性の確保のために、抽象的な概念や計測できない要素を排除しているのが原因だと思う。
人が行動するときには、感情を認識するものだが、行動分析学では、感情を、リインフォースと罰、ペナルティに置き換えて間接的に扱っているようだ。感情は、リインフォースや罰、ペナルティの要素の変化に現れている。
この理論では説明できないことが残るはずだと思って調べたら、ネットで"外的報酬の効果論争"というものを見つけた。
なるほど、確かにアンダーマイニング効果(外発的な報酬によって、内発的な動機づけが弱まる)は説明できない。
だとすると、著者の夢のこの手法の教育への応用には、かなりの注意が必要だろう。 - 「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」で明らかになったように、
結果だけを見る成果主義では2割の上位層は成果が伸びるものの
大多数の8割の社員はやる気を失ってしまう。
その結果、会社全体のパフォーマンスは落ちていく。
その次の理論としてこの本は「行動科学マネジメント」を紹介している。
行動科学に基づいた理論なので言われてみたら至極まともで
「結果でなく有意義な行動に対してポジティブなご褒美を即時にそして
確実に与えることが重要」というのがポイントである。
ただ本の半分を理論の良さをアピールことに割かれており、一生懸命
アピールするぐらいだったら具体例を数多く載せておいて欲しかった。
この本だけで実践に移すのは難しいというのが感想である。